【2026年8月】着物で観たい「西洋の美」展覧会4選——マリー・アントワネットから《真珠の耳飾りの少女》まで
こんにちは、キモノプラス編集部です。
「着物でお出かけ」というと、夏祭りや庭園、和の名所を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも今年の8月、わたしたちがおすすめしたいのは、あえての「西洋の美」です。
じつは2026年の夏、ドレス、うつわ、ポスター、名画——西洋の美の”当たり年”といえるほど、豪華な展覧会が集中しています。しかも冷房の効いた美術館は、猛暑の8月にこそありがたいお出かけ先。夜まで開いている日を選べば、暑さのピークを避けて出かけられます。
「洋のものを観るなら洋服で」と思っていませんか。むしろ逆です。19世紀末の西洋が着物に夢中になった歴史(ジャポニスム)を思えば、着物で西洋の美に会いに行くのは、100年ごしの対話の続き。会場でいちばん絵になるのは、あなたかもしれません。
それでは、この夏だけの4選をご紹介します!
1. マリー・アントワネット・スタイル(横浜美術館)
歴史上もっともファッショナブルな王妃、マリー・アントワネット。その装いと人物像に迫る展覧会が、8月1日にいよいよ開幕します。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館が企画した国際巡回展で、横浜美術館が国内唯一の会場です。
開催情報
・会期:2026年8月1日(土)〜11月23日(月・祝)
・会場:横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)
・開館時間:10:00〜18:00(11/21・11/22は20:00まで、入館は閉館30分前まで)
・休館日:木曜日(8/13、9/24、11/19は開館)
・観覧料:一般2,500円、大学生1,600円、中高生1,000円、小学生以下無料
・公式サイト:マリー・アントワネット・スタイル
暦の推しポイント
18世紀フランスのドレスや宝飾品と、あなたの着物姿。時代も国も違うのに、「装いで自分を表現する」という一点で、王妃と通じ合える展覧会です。ロココの優美な色彩に合わせて、淡い色の夏着物で出かけたら、会場の空気ごと味方につけられますよ。会期は11月までありますが、混雑が本格化する秋の前、8月の平日が狙い目です。
2. ルーシー・リー展 ―東西をつなぐ優美のうつわ―(東京都庭園美術館)
20世紀を代表するイギリスの陶芸家、ルーシー・リー。国内では約10年ぶりとなる回顧展です。副題は「東西をつなぐ」——バーナード・リーチや濱田庄司(はまだしょうじ)ら、交流のあった作家の作品もあわせて展示され、西洋のうつわと東洋の美意識の響き合いを味わえます。
開催情報
・会期:2026年7月4日(土)〜9月13日(日)
・会場:東京都庭園美術館 本館+新館(東京都港区白金台5-21-9)
・開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
・夜間開館:8月7日・14日・21日・28日(金)は21:00まで(サマーナイトミュージアム2026)
・休館日:毎週月曜日
・観覧料:一般1,400円、大学生1,120円、高校生・65歳以上700円、中学生以下無料
・注意:日時指定予約制です。来館前にチケットをご購入ください
・公式サイト:ルーシー・リー展
暦の推しポイント
会場の東京都庭園美術館は、1933年に朝香宮(あさかのみや)家の自邸として建てられたアール・デコ建築。この洋館の空間そのものが、着物姿にしっとり映えるんです。そして8月の金曜は夜21時まで開館! 日が落ちてから、夏着物で夜の美術館へ——猛暑の8月にこれ以上ないお出かけプランだと思いませんか。
3. 世紀末パリの煌めき ―OGATAコレクションにみるミュシャ、シェレ、ロートレック(茅ヶ崎市美術館)
19世紀末パリの街を彩ったポスター芸術。ミュシャ、シェレ、ロートレックら巨匠の作品約160点が集まる展覧会です。ミュシャに代表されるアール・ヌーヴォーの流麗な曲線や植物文様は、日本美術の影響(ジャポニスム)を受けたといわれています。会期は8月23日まで、お見逃しなく。
開催情報
・会期:2026年6月17日(水)〜8月23日(日)
・会場:茅ヶ崎市美術館(神奈川県茅ヶ崎市、JR茅ケ崎駅南口から徒歩約8分)
・観覧料:一般1,200円、大学生1,000円、市内在住65歳以上600円、高校生以下無料
・休館日・開館時間:公式サイトでご確認ください
暦の推しポイント
ミュシャの描く女性の、流れるような髪と曲線的な衣装。あの美意識のルーツのひとつに日本の文様があるといわれていると知って観ると、着物で行く意味がぐっと深まります。いわば”ジャポニスムの里帰り”に立ち会う気分。湘南の街なので、鑑賞後は海辺の散策も楽しめますよ。
4. フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展(大阪中之島美術館)
そして関西のみなさん、お待たせしました。フェルメールの最高傑作《真珠の耳飾りの少女》が、14年ぶりに来日します。マウリッツハイス美術館の改修に伴って実現した、大阪だけの開催です。同館館長が「日本へ送り届けられるおそらく最後の機会」と語る、まさに一期一会の展覧会です。
開催情報
・会期:2026年8月21日(金)〜9月27日(日)、会期中無休
・会場:大阪中之島美術館 5階展示室(大阪市北区中之島4-3-1)
・開場時間:9:30〜17:00(8/28、9/4、9/11、9/18〜27は20:00まで、入場は閉場30分前まで)
・観覧料:一般3,000円、高大生1,500円、小中生500円、未就学児無料
・注意:日時指定制で、美術館での当日券販売はありません。チケットは事前に展覧会公式サイトでご確認ください
暦の推しポイント
青いターバンに、耳もとの真珠。あの少女の「異国風の装い」は、17世紀オランダの人々にとってのエキゾチシズムだったとされています。時を超えて、日本の着物姿でこの絵の前に立つ——これほど絵になる鑑賞体験はなかなかありません。チケットは日時指定の抽選・先行販売が中心で、入手しづらい状況が続いています。まず公式サイトの販売スケジュール確認から始めてくださいね。
このシーンのコーデ提案(いろは)
洋物の展覧会に映える着こなしを、4パターンご提案します。
ロココの淡彩に寄せて(マリー・アントワネット展):水色やピンクベージュの淡い夏着物×白系の帯。帯留めにパールをひと粒。会場のドレスたちと色でそっと会話するコーデです

器の釉薬を纏う(ルーシー・リー展):深みのあるターコイズの絽(ろ)に、放射状の細線文様の帯。帯締めは器の縁を思わせるブロンズ色、帯留めは陶器をひとつ。半衿にもブロンズの線を効かせて、焼き物の展覧会への”ささやかな挨拶”に

“刷りもの”同士の対話(世紀末パリの煌めき):深いオリーブ地に、輪郭線のはっきりした型染(かたぞめ)風の植物文様。ミュシャたちのポスターはリトグラフ=刷りものの芸術ですから、型紙で刷るように染める型染は同じ言葉を話す間柄。帯はお太鼓に大きな丸文(まるもん)——ポスターの円形飾りに背中で応えます

《少女》へのオマージュ(フェルメール展):藍から瑠璃へのグラデーションに、山吹色の帯。青×黄はあの名画そのままの配色です。半衿はデルフト焼の染付を思わせる白×藍の小花、耳もとに真珠をひと粒——鑑賞そのものが答え合わせになります

結び
着物は「和のもの」の枠に閉じ込めなくていい——これがわたしたち編集部の考えです。かつて西洋が先に着物に恋をしました。だったら今度は、こちらが着物で会いに行く番です。
冷房の効いた美術館、夜まで開く金曜日。猛暑の8月こそ、涼しく、上品に、西洋の美とデートしてみませんか。素敵な着物でお出かけしてね!









