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[着物でお出かけ] 衣服が語る戦争 ― 戦後80年の節目に感じる、平和な日常のありがたさ

今年は、第二次世界大戦の終結から80年という節目の年。
改めて、この時期にどんなことが起きたのかを学ぶため、文化学園服飾博物館で開催中の「衣服が語る戦争」展を訪れました。
明治後期から昭和の終戦までの間に、日本の衣生活は大きな変化を遂げています。

展示では、年表とともに当時の衣服や資料が並び、衣生活を通して歴史の流れをじっくり振り返ることができます。

内容は、「戦争の熱気が生む流行」「被服協會の活動」「戦争に翻弄される人々の衣生活」「戦後も続く混乱と新しい衣生活」「平和を願って」という5つの章立てで構成されています。

展示を通して知ったことの一部をご紹介すると、

・お祝い着に戦争柄が流行していたこと
・衣料不足により配給制が敷かれたこと
・布を節約するために二部式の帯や短い結び方が提唱されたこと
・着物1着から洋服2着を作れたので、着物から洋服への仕立て直しが推奨されたこと
・戦後のファッション誌はGHQの統制下で、洋装を積極的に発信していたこと

…など、当時の衣生活には多くの制約があり、自由に服を選べない日々の大変さを改めて感じました。
戦後、存続が危ぶまれていた和装文化を必死につないでくださった方々に、自然と感謝の気持ちがこみ上げます。
市場が縮小しつつある現代の和装文化ですが、できる限り次の世代につないでいきたい、と心から思いました。

帰りに新宿駅近くの「時屋」でどら焼きタイム。
浴衣姿でゆっくりおやつを楽しめる、平和な日常のありがたさを、しみじみと感じながらいただきました。

衣服を通して戦争を考える機会を与えてくれる、とても貴重な展示です。
ご興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。

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戦後80年企画「衣服が語る戦争」
https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/

文化学園服飾博物館
東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル
JR「新宿駅」南口より徒歩7分