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[着物でお出かけ] 9日間の限定公開「明治神宮宝物殿」

今回は、東京・明治神宮の「宝物殿」へ。

「宝物殿」は、明治天皇と昭憲皇太后ゆかりの御物を展示するための施設として、大正10年に建造されました。平成23年の東日本大震災で屋根瓦や天井などに大きな被害を受けたため、平成29年から修復工事のため一時休館、令和3年から期間限定で再公開されています。いつもは門の外から眺めるばかりで、公開のタイミングを心待ちにしていましたが、ついに先日、”9日間の限定公開”があるという情報を入手。「ぜひとも中を拝見したい!」と思い、急いでお出かけしました。

建築様式は、奈良・正倉院の「校倉造」を模した「校倉風大床造」です。日本最初期の鉄筋コンクリート造の大規模建築物として歴史的・技術史的価値があることから、平成23年6月、国指定重要文化財に指定されています。収蔵品を保存するのに最も重要なのは湿度管理ですが、高床の構造は地面から上がってくる湿気の影響を防ぐことができます。
日本の風土にあった和風意匠と鉄筋コンクリートが融合された和洋折衷な造りに、歴史のロマンを感じます。階段や渡り廊下を通るだけでもワクワクしましたが、メインの「中倉」は、壁や天井、床から展示品を飾る棚に至るまで、全てに重厚感と品格があり、息をのむほどの美しさでした。

震災で損傷した天井は全面張り替え工事が施されています。下貼り紙には埼玉県小川町の細川紙を用い、上貼り紙には、福井県越前市の三椏を原材料として伝統的な工法で手漉きした和紙に、雲柄模様が渋型紙で型摺りされています。
今はうっすらと見える雲柄模様ですが、経年変化で和紙が焦茶色になった時、くっきりと浮き出てくるのが楽しみです(100年後くらい⁉︎)。入口に修復工事の資料が置いてありましたので、お忘れなく。

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「明治神宮宝物殿」
限定公開期間:2024/10/26(土)~2024/11/4(月・祝)
(休館日:10/31(木))
https://www.meijijingu.or.jp/museum/exhibitions/?id=1728693554-179535

東京都渋谷区代々木神園町1-1
小田急線「参宮橋」から徒歩3分