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あきない世傳金と銀

高田郁の小説『あきない世傳金と銀』 時代小説文庫 をお読みになったことはありますか?全13巻と特別編2巻です.大阪では江戸時代に女名前禁止というお触れがあり,どんなに女性が仕事ができたとしても家督を継ぐことも商売のトップに立つこともできなかった時代,奉公人から,御寮さん(奥様)として,呉服の商売(五鈴屋)をどんどん広げていった女性のお話です.

上は葛飾北斎の柄の帯(この小説の舞台は,後半は江戸へ出店します)
着物の色や柄の好みも大阪と江戸で異なるのも面白いです.

本文の中には,着物の生地の話や色の話がたくさん出てきて追いきれないほどに.
着物だけを売るのではなく,帯の色との組み合わせの勉強を奉公人と一緒にして,店として,お客様に帯もどんどん提案していきます.補色の色,欝金色と藤色,赤と青緑などそのような表記が出てきます.今では着物と帯を選ぶときに,配色の理論で考える方が多いですね.

最初は絹しか扱っていなかった五鈴屋ですが,江戸出店の際にいろいろな苦難があり,太物(木綿)も扱うように.
とにかく面白いので,ぜひ皆さんも読破してください.本当におすすめです.